記事一覧

『校閲ガール』の読後感

校閲ガール 単行本 – 宮木 あや子 (著) こう えつ 【校閲】印刷物や原稿を読み,内容の誤りを正し,不足な点を補ったりすること。『三省堂 大辞林』:出典書籍の表紙が可愛くて、手に取ってみました。出版社の校閲者、河野悦子の物語です。彼女は24歳で、入社二年目。校閲の仕事、出版業界のことなどが描かれていて、興味深いです。ほのぼのとした恋愛要素が盛り込まれている分、物語に味付けがなされています。軽やかな文章が読み...

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「桜雨」を読んで

桜雨 (集英社文庫) 文庫 ? 1998/10 坂東 真砂子 (著) 坂東真砂子氏の小説を読むのは二度目になります。前回は「死国」でした。この小説の物語の構成は巧みであり、読者を飽きさせない作り方に感心してしまいました。また、女の情念が過敏に、多層的に語られ、興味を引く物語になっている印象を受けました。とても、男の書き手では描けない世界を描いているように感じられ、また、心理描写が巧みであることに思わず唸ってしまいま...

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「夜明けの星」を読んで

夜明けの星 (文春文庫) 池波 正太郎(著) 小説の題名を忘れることが多いので、図書館で借りて来て読み始めてすぐに、以前読んだことを思い出す小説があります。けれど、味わい深い池波氏の作品だから、私は読み返してしまいます。物語を味わいたいと思える小説に出会い、日常生活のひとときから離れて物語に浸る時間は、読者にとって、幸せなことのように思えるのです。この小説も、私にとってそんな一冊になります。この小説を読み...

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坂東眞砂子氏の「死国」を読んで

作家・坂東眞砂子氏の名は以前から知っていて噂も聞いていましたが、今まで作品を読む機会はありませんでした。一週間ほど前、知人との会話の中で、坂東眞砂子氏の作品名が上がったのが記憶にあり、数日後の図書館の書架で彼女の著作物に目がふれ、縁をいただきました。それは「死国」という題名の小説でした。読了してみると、確かに「日本人の土俗的感性を喚起する伝奇ロマン小説」に思えます。「死国は四国。この世で死の国に最...

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グッド・バイ (新潮文庫) 文庫–太宰 治 (著)

グッド・バイ (新潮文庫) 文庫–太宰 治 (著) この本を再読するのは、本当に久しぶりのことだった。装幀が印象的で、再読してみる気持ちになった。読み通すことが出来たのは、秀逸な文体のせいだろうか。内容はすっかり忘れていて、新鮮な風味があって、面白かった。没後68年がたっても、人気があるのは頷ける。戦後の数年に短編の連作として書かれたもので、自死によって未完の作品。この作品が三十代に書かれたことを思うと、現在...

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